本記事では、iGEMの基礎知識について、まとめています。
※本記事は、iGEMerにより、2019年年末に書かれた記事をアーカイブしたものになります。
iGEMについての基礎知識編
iGEM基礎知識
Wikipediaがいい感じにまとまっていたので、コピペ+リバイスしています。
The International Genetically Engineered Machine competition(iGEM, アイジェム)は、Hynes Convention Centerで毎年11月ごろ開催される合成生物学の大会です。主に大学生や大学院生が参加し、合成生物学の大会としては世界最大規模。近年では高校生部門が設立され、高校生、大学生、大学院生が参加できる大会へと変化しています。
大会への参加チームは独自の生物学的デバイスを設計し、夏の間に各種の遺伝子パーツを用いて完成させ、大会当日に作品についてのプレゼンテーションを行います。毎年、自由な発想によりさまざまな作品が発表されており、ユニークな作品例としては大腸菌で作られた血液などが挙げられまsy。また、デバイスを構成する遺伝子パーツは大会本部から送付されるBioBrickをそのまま使用するほか、自ら作り出すことも可能です。
2019年大会では、42ヶ国から353チームが参加し、総勢7000名を超える大会となりました。これまでの参加者は合計で40000人を超えるとのことです。日本での知名度は低いですが、アメリカやドイツでは知名度が高く、生命科学者、生化学者であれば名前は聞いたことのある大会となっています。iGEMから出てきた技術が研究で使われることも少なくなく、近年ではiGEM発のベンチャーが出てきています。
ベンチャーの例 Opentrons ( iGEM GenSpace )
合成生物学に関する記事 Forbesの記事
合成生物学
合成生物学がどういう学問かと言われると非常に難しいです。あれもこれも合成生物学なんじゃないかと最近は思うので、これ!という正確な定義が分かりません。
Wikipedia的には
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「合成生物学(ごうせいせいぶつがく、英語: synthetic biology)は、生物学と工学の学際的な分野である。構成的生物学や構成生物学とも呼ばれる。合成生物学の対象は、バイオテクノロジー、遺伝子工学、分子生物学、分子工学、システム生物学、生物物理学、化学工学、生物工学、電気工学、制御工学、ならびに進化生物学などの分野を組み合わせたものである。合成生物学は、研究、工学および医学への応用のための人工生物学的なシステムを構築するために、これらの分野を活用する。合成生物学は、幅広い研究領域を統合して生命を全体的に理解しようとする学問であったが、科学と工学の融合が進むにつれ、新しい生命機能あるいは生命システムをデザインして組み立てる分野も含むようになっていった。生物を設計する、作成する、操作することで生命への理解を深めるアプローチや、有用物質を生産するキメラの作製も主要なテーマとなっている。
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らしいです。テーマが広すぎるので、あながち僕の感覚は間違ってないと思います。ただ、合成生物学の中でも有名な課題というのが「生命を作る」ことだと思います。
iGEMは多くのチームがこの部分の研究を行います。どういうことかといえば、遺伝子パーツを用いて新しい機能性を付加させた生命を作ったり、そもそも細胞の元となるようなものを作ってしまったりするということです。ゲノム合成だけでなく、生体膜の合成など細胞を1から作り上げるという仕事が含まれます。
iGEMの魅力
合成生物学はテーマが広いという話をしましたが、この点がiGEMの魅力です。「なんでもできる」これがiGEMをやる意味だと思います。2019年東京理科大チーム (正確にはBotchan Lab Tokyoチーム) は宇宙に行っても大丈夫な菌を作ろうとしていました。これくらい何をやってもいい学問なんです。単純なテーマで行けば、光合成する大腸菌や酵母の中に大腸菌を取り込ませるとかそういう話でもいいと思います。
こういうテーマを学生自身が選んで、自由にやる、これがiGEMをやる意味だと思います。ただ、活動はめちゃキツいです。めちゃキツい。それでも終えた時の達成感というのはかけがえないものだと思います。あと、半端ないくらい色々体験できます。サイト作る、予算書書く、モデリングする、プログラミングする、電話する、実験する etc...
あと、大学院優遇してくれるところもあります。僕が受験した大学院では面接で聞かれましたし、他にもiGEM関係者が優遇される場面があります。主に元PIの先生やiGEMに詳しい方が主催のイベント、ラボになると思います。
まとめ
- iGEMは合成生物学の世界大会。すげえでかい規模でやっている。
- iGEMはキツい。ただ、すげえ面白い。